UO夜話・ニ

 bank
 powerhour

銀行の前、私の隣であなたはそう言った

 powerhourって知らないわ、それは何?

 あんたが一日で一番”冴えてる時間”を教えてくれる呪文のことさ
 その時間には何でもするすると頭ン中に入ってくる

その日から私はその呪文を唱えるようになった
あなたがこの世界から居なくなってしばらくして、この呪文は用を成さなくなった
呪文を唱えても以前のように”冴えてる時間”がわからなくなったし、
”冴えてる時間”自体も存在しなくなってしまったと皆は言う
それでも無意識にその呪文を唱えてる私がいる

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 powerhour