vermilion

vermilionと云われて最初に連想したのは油絵の具のvermilion tintであった。これは少しでも絵の具を触ったことのある人ならすぐに分かる言葉だが、それ以外の人には分かりにくい言葉なので簡単に説明する。高価な色や、混色で変色しやすい色には他の顔料を用いて本来の色に似せた絵の具が存在し、それを本来の色にtintやhueという言葉(tintは油で良く見かけ、hueは水彩でよく見かける)を後ろに加えて呼ぶ(vermilionならvermilion tintと)。私はこのvermilion tintを(気にしないで)使っていた学生だった。もともと油彩は苦手で余り描かなかったし、貧乏学生だったのでtintの数倍する値段のvermilionを大きな画面に塗りたくるだけの財力もなかった。引っ越す際に、水彩絵の具は自分のパレット一枚を荷物に入れて一緒に引っ越したが、油絵の具は馴染みも薄く一式がかさばるので実家に置いてきた。今は妹の手に渡っているようだが、それが有効に活用されたと言う話は聞いたことがない。
FAQは今のところ、特に何も思いつかない。何かが死んでしまったようだ。