仙台写真月間・1 大宮瞳子 Tief

微熱を孕んだ大気。
湿気った風は留まって動かない。
薄い色調、淡いトーン。
ハレーション、ゴースト。
存在の消えゆくかげろうのような、浅い呼吸。
私のアンテナが錆び付いたのだろうか、メッセージがはっきり見えない。
雰囲気は感じられるが、雰囲気止まりだ。
プリントは淡いトーンを重視しすぎたせいか、ダーク・シャドウトーンが圧縮された感じでなめらかにつながらない。好みではないプリント。川内倫子の例を引くまでもなく、もっとうまいやり方がある様に思う。
一枚の写真に、なぜここにあるのかわからない、違和感を覚えた。

私には雰囲気までしか感じられなかったし、掴めなかったけれども、この世界が好きな人もいるだろう。