父がEOSKissDXを買った。

近代のエキザクタ-EOS マウントアダプター、M42-EOS マウントアダプターと一緒に。
大昔のAngenieuxをつけて、ピントが合わないと言う。
確かに、AFを前提とした明るいマットスクリーンに大昔のMFレンズを合わせてはピントがつかみづらい。


画像を大きくすれば多少は良くなるのではないかと思い、マグニファイヤを探すことにした。
キャノン純正のマグニファイヤは優秀だが、とても高価で、しかもローアングルファインダを兼ねているので使いづらい。
調べると、ニコンDK-21MオリンパスのME-1がKissDXにつくらしい。
ヨドバシに行くついでにME-1を購入し、家に帰ってKissDXにつけてみれば、下の出っ張りが本体と干渉してきちんとはまらない。
店頭でちゃんと確認すればよかった。
仕方がないので、鑢で余分なプラスチックを削る。
これでファインダ像が1.2倍になったものの、父にはまだピントがつかみづらいらしい。


さて、KissDXには購入したときに18-55/3.5-5.6という廉価なレンズがついていた。
父は自分のレンズを使うので、不要だという。
ひとまず引き取って、試しに撮影してみた。

ある程度絞ってやれば、きちんと解像する。
本当に細かい部分や、周辺部は解像しないが、必要十分な解像力だと思う。
トーンは乾いた感じで、潤いに決定的に欠ける。
ボケは硬く、ぎこちない。
広角側では樽が強く出るが、価格とズームであることを考えると許容範囲かと思う。
カップラーメンの様なレンズだ、という印象を持った。


父の撮影した、Angenieuxのファイルを拝借して眺める。
確かにピントを時折はずしているが、ピッタリと合った時の解像力は先のレンズに引けをとらない。
周辺部までの均質性はないが、それもまた味というものだろう。
全体にコントラストが低いが、RAW現像時にトーンカーブを少し立ててやれば、目の覚めるような画像に化ける。
画像全体に漂う独特のしっとりとした感じがとても良い。
昔のレンズも捨てたものではないな、と思った。