跳ぶか跳ばぬかは、おまえ次第。

夜半に家に帰ると、玄関の薄い闇にちいさな影がうずくまっている。
何かと思ってよく見ると、握りこぶし一つくらいの蛙が目前の闇を睨みながらじっと座っていた。
携帯電話のライトで照らしてみると、光をはね返した瞳がきらりと光る。
そのままゆっくり手を伸ばしてシャッターを切ると、蛙は音に驚いたように一歩を踏み出した。