見た:佐藤英太郎写真展

「時世時節 -仙台駅うら・再開発の記録-」
佐藤英太郎 写真展
4月3日(月)〜4月14日(金)
キャノンギャラリー仙台
http://cweb.canon.jp/camera/gallery/sendai.html

三日に仙台のキャノンQRセンターに用事があり、訪れた際に併設されていたギャラリーを観覧した。

この方は同じテーマで写真集を出している。本自体は前々から書店で見かけては手にとり、買うべきか否か思案しつつ眺めていた本であった。
この写真集に撮られた地域は、私の住処から国道を挟んで目と鼻の先にある。毎日のように利用する通り道であり、私自身も数多くシャッターを押し、変わり行く姿を記録してきた場所でもある。
だから、写真集をはじめて見たときは率直に言えば「あ、やられた」と思った。
先手を越されたと思ったのだけど、写真集を見るうちに「これは自分には撮れない写真だ、この写真集があって良かった」とすぐに思い直したのである。というのは、私の立場はあくまで外側の観察者にとどまるもので、自らがその地域に入ってゆくものではなかった。作者の佐藤さんはその地域の中に身を置いて、ちょっとだけ話をした本人の言葉を借りれば「責任のある写真」(うろ覚え)を撮った。
彼我の写真は似て非なる物だったのである。

展覧会に話を戻すと、展覧はモノクロプリントだけで構成されたものであった。プリントはどれも一様にコントラストが高く、強い焼き込みが見られる。中にはIRフィルムで撮られたようなプリントも見受けられる。
私は、写真集の中ではカラーの写真が気に入っていたし、モノクロのプリントは階調がなめらかで豊饒な物が好みなので、この点は残念であった。
ただ、前に述べたように内容は文句がない。その内容に沿って選ばれた表現手法としてのプリントなのだから、それを受け入れる他はないが、私にとっては残念なことは変わらない。

google:時世時節 仙台うら再開発の記録