最近の食

実家に居ると自分の都合でばかり食を決められないので、楽しくない思いをすることも少しはあるのだが、逆に一人暮らしでは受けられない恩恵もそこにはある。
そのひとつが、週に一度運ばれてくる産直野菜である。
この近場の農家が有機肥料だけで栽培した野菜を収穫した採りたてを届けてくるサービスは、健康に凝っている母親が利用しているサービスで、私などが一人暮らしをしていれば利用しない・できないサービスである(コストパフォーマンスが悪い)。
とはいえこの産直野菜、非常に美味なのである。
大抵の野菜はさッと湯通しするだけで食べられるようになり、食べてみれば野菜本来の濃い味を口の中で強く放散する。
醤油を少し垂らすだけでほとんどの野菜は食べられるようになるし、醤油さえ必要ないものも少なくない。
この、調理に手をかけずとも野菜が美味いという感覚はフランスではなかなか味わえなかった感覚であり(フランスではパンそのものが美味かったが)、日本ならではのひとつの愉悦なのかもしれない。