絵を描く事が上手になりたい、とだけ思って絵を描いたことなんてない(メモ)

なんと言えばいいのか分からないけど、私は絵が上達する、ということ自体にはあまり興味が無い(「上達」の定義自体も非常にあやふやだけど)。実現したいイメージがそこにあって、それが実現できないので何度も描き直したりラフを重ねて練習するということはあるけれども、自身の絵の技術を上達させるために絵を描くということは、ない。
私の場合は、語学も、写真も、文章も、ゲームも、全てがその調子なのである。技術や、上達する事そのものが目的にならない。そんなわけで、あちこちで”スキルアップ”とか”うまくなりたい”とかいった言葉の踊った文章を読むと、いつも「そういうものなのかなあ」と、漠然とした違和感を抱きながら流し読みするのである。
形のない漠然とした「上手」に向かって練習するということは果たして可能なのだろうか。それとも、彼らの言う「上達」というものは既存の「上手」といわれる価値観に自分の技術を合わせてゆく作業なのだろうか。いや、そうではあるまい。きっと彼らも自分なりの何かを実現したくて、しかしそれが出来ずにいるために、そのための技術を欲しているのであろう。そう思いたい。