久しぶりに見た夢には、非常に美しい光景と、妹が出てきた。
次いで、その夢から醒める夢を見た。
私はそこで目覚めて「ここはどこだっけ、ああここは日本だったな」と考えて隣の妹の部屋に向かい、先ほど見た夢の話を妹に話すのである。そうして全てを話し終わったとき、私は再び目覚める。
辺りは暗く、風が強く、雷が鳴っていた。「ここは多分…フランスだ」全ての要素がいやおうなく、私がフランスにいることを教えてくる。
この、目覚めたときに一瞬、自分が日本にいると錯覚するという現象は、私には稀に訪れる。すぐにフランスにいると気づくのだけど、そう気づいたときのなんとも言われない失望と悲しさは、恐らく言葉にはできない。
(フランスにいること自体が悲しいのではない、念のため)