タナトスの影

ここ数日、ネット上である友達の姿を見かけないことがどことなく気になっていた。メッセンジャーにつないでも居ないし、日記は更新されていない。数日と云っても四五日のことなので、忙しくなれば十数日姿の消える彼にすれば普通のことと云えば普通なのだが、末期癌の父親の看病をしていた彼がネット上にぱたりと姿を現さなくなると、とうとうかな、などと漠然と思っていた。
そして今朝、彼の日記で彼の父親の訃報を知り、ああとうとう、とひとり軽い落胆に襲われた。彼の父親と私は一度か二度会ったぎりでほとんど他人のようなものだったけれど、なぜだかはわからないけれども豪放な性格の人、という印象があった。
5月末に亡くなったということで、ものすごく忙しい時期は過ぎなんとか時間が取れて日記を書いたのだろうけれども、彼の身辺はこれからもしばらくは忙しいままであろう。この場を借りてお悔やみを申し上げるとともに、忙しさに身体など壊さぬよう願っておく。