アルカスイス規格互換のクイックリリースクランプが手元に増えてきたので個人的な備忘録として。
SUNWAYFOTO DDY-64i。ハスキー3Dヘッドにつけるべく、別売のDP-60Rとともに購入。四角い形状のアルカスイス互換クイックリリースクランプ(下の写真右上の様な)はクランプの開閉に伴って底面が動くものが多く、ハスキーの3Dヘッドに取り付けると雲台上面のコルクと干渉してしまう。これを解決するためにスペーサーを噛ませたりコルクを削ったりと工作をしなければならないのだが、このタイプであれば底面が動かないのでハスキーでも無加工で使える。手に取るとかっちりした剛性を感じ、動きにも安心感がある。締め付けノブの形状が若干ごろごろしていてやや指に痛いのが気になるが、大きな問題ではない。付属の雲台取り付け用ネジ穴を変換するネジに抜け止めがなく、どうやってしっかり固定すればいいのか少し迷った。
DP-60Rプレート(下の写真左の方)は、カメラ取付に1/4ネジと3/8ネジを選べるのだが、1/4ネジが3/8ネジの穴からすぐ落ちてしまうことが目下の悩み。プレートをカメラにつけっぱなしであれば問題はないだろう。六角レンチで締めるタイプのカメラ取付ネジであることからして、おそらくそういう使い方を想定しているのだと思う。
UTEBIT DM-55。DDY-64i類似品を探して購入したもの。RRS等に比較して安価なDDY-64iよりもさらに安価、しかもプレートが付属する。二個目のハスキー3Dヘッドに付けている。Amazonでの製品名に「ボール雲台」と書かれており、クイックリリースクランプではないのだろうかと不安に思ったが、届いてみるとプレート付クランプだった。安価な割に操作感は良い。ノブの形状はDDY-64iよりもこちらのほうが好み。全体の剛性感はDDY-64iに若干譲るが、使用には差し支えない。コストパフォーマンスがとても高く、驚いた。
型番が見当たらないINPONのリリースクランプ+L字プレート。安価な製品ながら作りは悪くはない。が、同時にとりたてて良くもない、と言いたくなる感じの出来。このクランプは底面を含む顎が動いて締付けるタイプ。リリース時はばねの力で顎を押し戻す構造なこともあり、写真のようにハスキー3Dヘッドに装着すると、ノブを解除方向に回してもクランプの顎が固定されたまま動かなくなってしまい、プレートをリリースできない。設置面が小さめの雲台につけると問題なく機能する。
L字プレートは機種専用のプレートではないので、特に縦位置などでは使っているうちに少しづつずれてくる。気になる人は専用プレートを買ったほうがいいだろう。
写真は、INPONのクランプにSUNWAYFOTO DP-60Rを組み合わせたところ。クランプを最大に開けてもプレートを挿入できない。アルカスイス規格互換と言ってもきちんとした規格があるわけではないようだ。気になったので、測ってみる。
SUNWAYFOTO DP-60Rプレートの幅は39ミリ。
INPONのクランプの上部開口は36.5ミリ。39ミリのDP-60Rは斜めに挿入しても開口が不足して入らない。こうなると手当たり次第に調べたくなってくる。
INPONのL字プレートの幅は37.8ミリ。
UTEBITのDM-55付属のプレートは38ミリ。
VANGUARDのVEO2に付属してきた小型雲台のプレート。37.7ミリくらいかな。
SUNWAYFOTO DDY-64iの最大開口。これだと37.9ミリくらいだけど、ノギスが斜めにはいっちゃってるのでもう少し短いかも。
UTEBIT DM-55は39.3ミリなんだけど、やっぱりノギスが斜めに入っている。
VANGUARD VEO2の雲台。37.6ミリ。これもDP-60Rは入らない。UTEBIT DM-55付属のプレートも入らない。よく見ると、顎の形状が他製品と若干異なるように見える。開口の大きさはSUNWAYFOTO DDY-64iとそう変わらないのにプレートを選ぶのは、微妙な形の差異から来るのだろうか。
こうしてみると、手元のプレートの幅は主に38ミリ前後となっており、SUNWAYFOTO DP-60Rが例外的に39ミリと太い。本来の規格は何ミリなのだろう。クランプ側の開口はまちまちだ。この中ではINPONのものは開口が小さく、UTEBIT DM-55は開口が大きい。形状の違いからか、開口の大きさが近似したクランプであっても同一のプレートが入ったり入らなかったりすることがある。
アルカスイス規格互換と言われるとすべてのプレートとクランプが相互に使える様に思ってしまうが、現状そうではなく、製品どうしの相性のようなものがある。使用にあたってはメーカーを統一するなどの予防策をとると良いかもしれない。とはいえこれらの(主に)中国の製品は短いスパンで改良品を次々と世に送り出してくるので、過去の製品との互換性をどれだけ考えているのかわからない部分があり、メーカーを統一したところでうまく機能しない可能性もなくはないところが恐ろしくも、また面白いところ。