Tamron TAP-in console

Tamronのレンズは何本か所有しているが、そのうちの10-24VC(キヤノンマウント)が大きく後ピンだったので、ボディのマイクロアジャストメントで-9をかけて運用していた。その結果に必ずしも満足していたわけではなかったことと、TamronのTAP-in consoleがどれだけ効果があるのか興味があったことから導入してみた、の導入まで。

TAP-in consoleの運用には調整用のソフトウェアTAP-in utilityが必要で、Tamronのサイトの「サポート情報」ページの「ダウンロード」からダウンロードできる。TAP-in consoleのページにはTAP-in utilityの存在が書かれているが、そこにダウンロードへのリンクがないことにやや戸惑った。

TAMRON | サポート

TAP-in utilityでは10-24VCは6つのズーム位置と3つのフォーカス位置で計18点を調整できる。フォーカス位置は最短撮影距離と0.36m、そして無限遠。カメラから0.24m、0.36mの距離を作るのに苦労した。フォーカスターゲットを持っていないのでTAP-in consoleの箱を利用したこともあり、毎回の測定で全く同じ距離のものに対して測距できているわけでもない。そんなわけで実施段階での精度はそれほど高くない。

カメラと箱を正対させずに角度をつけると前ピンなのか後ピンなのかがわかりやすいのだが、精度としてはどうなのだろうか?疑問を抱いたまま、面倒なのでそのやり方で最後まで調整してしまった。また、ファインダーでピントを出してからそのままライブビューにして拡大、ピントを見ながらピントリングをどちらか一方に動かすことによって前ピンなのか後ピンなのかがわかる。無限遠はもっぱらこのやり方で調整した。

TAP-in utilityのピント調整幅、-20~+20はカメラのマイクロアジャストメントと刻みが同じ。そこで、最初にカメラ側のマイクロアジャストメント機能で数字を取り、その数字をTAP-in utilityに入れてレンズに覚えさせ、次いでカメラのマイクロアジャストメントをリセットして微調整するという方法で作業を進めた。結果、微調整が必要なところが広角側を中心に多数出てきたので、刻み量は同じでも実際の調整量は(カメラボディのマイクロアジャストメントとTap-in consoleでは)同じではないという印象を持った(まあそうだろう)。

撮影してモニタを見ながら調整、数値をメモ、Tap-in utilityに入力、レンズに書き込み、再撮影、再調整、再書き込み…と地味な作業の繰り返しは意外に時間を使う。微妙なところの追い込みは差が分かりづらく、最終的にはどの程度で妥協するかを決める作業になっていた。

さて調整の結果、調整値は-5~-12とばらけた。ズームの両端はフォーカス位置にかかわらず一律に-9前後の後ピンになっていたのだが、中間焦点距離では最短で-5、無限遠で-12と差が出た。カメラのマイクロアジャストメントでは一括で指定する事しかできなかったのでそれよりは正確になっていると期待したい。試し撮りの結果は良くなったように思うのだが…まあこれからわかってくるだろう。

目下の最大の問題は手元の45VCがTap-in consoleに認識されないことで、これはTamronに送ってファームアップしてもらわなければならない。これには二週間ほどかかるとのことで、今のところ問題なくピント来るし面倒だから別にいいかなあ…みたいな気分になってきている。う~ん。