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シャッターショック問題

前のエントリでシャッターショックという単語を使用したが、これは指している現象の輪郭が曖昧な単語で、人によって考えているところが異なる単語なのではないかと思っている。カメラの構造や動作に関しては素人の私なので、諸々書いたところで的外れかもしれないが、体験からなんとなくわかっていることをざっくりと書いてみる。

 

シャッターショックは、シャッターが動作することで起こる振動で、主にフォーカルプレーンシャッターを搭載した機種に起こりやすい。この振動がもとで引き起こされる諸々の問題があり、その問題をひっくるめてシャッターショック(問題)と私は言っている。従って、(ややこしいことに)この段階ですでにシャッターショックという言葉は二つの意味を持っている。

さて、シャッターが動作することで起こる振動が大きく、露光までに十分に減衰しないままに露光中にセンサーを揺らすことになると、撮影された画像はシャープさを欠くことになる。

現在、(小型でレンズ交換式の)デジタルカメラに搭載されるフォーカルプレーンシャッターは大半が縦走りだ。カメラを横位置で構えた時に上下方向に走行し、ショックも主にその方向に発生する。シャッターショックによるブレが顕著に現れた時は、像が二重になって写る。顕著に現れない場合でも、画像がシャープネスを欠いて見える。

手振れとの見分けはつきづらいが、安定した三脚に据えたり、焦点距離に対し高速なシャッターを切っているにも関わらずぶれが頻繁に発生したり、同条件のほかのカメラと比較してあからさまに歩留まりが悪い場合、その原因の一つとしてシャッターショックがあると考えられる。

一眼レフは構造上、レリーズの瞬間にミラーが跳ね上がることによるミラーショックの問題を抱えており、それを回避するためにあらかじめミラーを上げて撮影するモードがある。ミラーレスカメラにはミラーがない。従ってミラーショックの問題はなくなったのだが、新しい問題が一つ付け加わった。それはシャッター幕の動作である。

ミラーレス機の多くは、ライブビュー像をファインダーに表示するため、レリーズの直前までシャッターを開けている。シャッターボタンが押された瞬間、シャッターの後幕が動作してシャッターを全閉、その後露光のために先幕と後幕が時間差をおいて動作する。ショックが発生するタイミングは三回。後幕がシャッターの全閉動作を終える瞬間、先幕が露光のための動作を終えた瞬間、後幕が露光のための動作を完了した瞬間。問題になるのは先の二回だ。センサーを全閉するため動作した後幕のショックがカメラ(センサー)を振動させている最中に露光を開始すれば画像はぶれたものになる。また、長時間露光などで先幕と後幕の動作に時間差がある場合、先幕が走り終わった振動も画像に影響を及ぼす。

これらの問題を回避するために、最初の後幕の全閉動作から露光のために先幕が動作し始めるまでの間にディレイを設定できるカメラがある。

また電子シャッターを利用することで、シャッター幕の動作の一部、もしくはすべてを電子シャッターに担わせることで振動をキャンセルできるカメラもある。パナソニックの一部のカメラは、シャッターショックの起こりやすいシャッタースピードでは先幕後幕ともに電子シャッターになる様に設定可能だ。

ところで、シャッターが動作した直後、シャッターは次の動作のためにチャージを行う。バネの力を利用してシャッターを走らせているので、そのバネを次のシャッターのために巻き上げる必要があり、そのチャージ動作もまた振動の発生要因になっている。バネの力を使用しないシャッターユニットもあるので、それが普及するにつれシャッターチャージにかかわる振動の問題はいずれ解消されるのかもしれない。

このように、単純にシャッターが走るだけでも、カメラ内部には様々な振動の要因が存在する。カメラの重量がこれらのユニットの動作で起こる振動を殺すだけ大きければ、ぶれはあまり目立たないだろう。

撮影側にできる対応としては、ミラーがあるカメラはミラーアップする、シャッターディレイを設定できる場合は設定する、電子シャッターを利用できる場合は利用する、カメラの重量を安定した三脚などを用いて重くする、だろうか。ただ、いずれの対処策も何らかの利便性(もしくは画質)と引き換えになるので、状況に応じて使い分けてゆくことになる。

さて、ここまでがどのカメラにも起こりうる、いわば一般的なシャッターショックの問題。次に、手振れ補正機構と絡んだ問題を取り上げる。

私がこの問題に遭遇したのは主にオリンパスマイクロフォーサーズ機でである。オリンパス機はE-P1E-PM2、E-M5と使用したが、この問題はボディ内手振れ補正のついたE-PM2とE-M5で発生した(パナソニックのGX7でも似たような現象がみられたがオリンパス機と比較すると頻度も程度も軽微だった)。

問題の症状としては、標準域で撮影しているときに1/100前後の、普段であればあまり手振れの起こらない速度のシャッターを切ったときにぶれが頻発するというもの。しかもブレが起こると1/100前後ではなかなか考えられない大きなぶれが発生する、というものだった。

これらの問題は露出ディレイを設定することでおおむね解決を見た。私はセンサー全閉のための動作による振動が手振れ補正機能を誤動作させていたのではないかと思っている。高速に動作するフォーカルプレーンシャッターの衝撃を殺し切るのは、小型軽量なボディには難しいのだろうか。最も確実なのは電子シャッターにしてしまうことだが、私の使用していたカメラでは電子シャッターは使用できなかった。

手振れ補正機構はたいへん便利な仕組みだが、誤動作することがないわけではない。一眼レフのTipsに三脚使用時は手振れ補正を切る、と散見するのはこの誤動作を防ぐためだ(もっとも手振れ補正技術は登場したころよりも進歩しておりカメラに加わっている振動の周波数を分析し三脚使用を感知して自動的にOFFになったりするようになってきている)。個人的にこのあたりでストレスフリーなのはキヤノンのISだと思っているけれども、それでも少し前のレンズは三脚使用時にISを切って使用している。

ところで露出のディレイはE-PM2、E-M5ともに1/8秒(0.125秒)が設定可能な最短となり、それがシャッターのタイムラグとなって跳ね返ってくる。カメラのシャッターラグはカメラのフィーリングに直結する部分であり、各社おおむね0.0**秒台に持ってくる。そこに0.125秒が上乗せされるので、私としてはオリンパスのカメラは押したときに写らないカメラ、という評価になってしまった。これもまた私のオリンパス離れを加速させた原因となった。

うーん、まとまらない。