仙台写真月間2007・2 千葉俊治 NEWMATH

箇条書きで失礼。

  • 展覧をさっと見たところ、この展覧はMath、数学的な構成というよりは、どちらかというと音楽的な構成を持っている様に感じられた。写真の並び方が数学的厳密さというよりはむしろ音楽を感じさせる。音楽は数学と密接な関係を持っていると私は思っているのだけど。
  • 写真は一点のカラーを除き、全てモノクロ。一点だけのカラー写真は、色調がいじってある。 なぜモノクロなのか? なぜ一点だけがカラーなのか? なぜ、カラー写真はこの様な色調なのか? という問いに当たるのだけど、私はその答えを展覧からうまく受け取れなかった。
  • 暗いトーン、少し荒れた感じの粒子、やや強めのコントラストのプリント。平面表現として魅力的なサーフェイスを獲得しているかというと、そうでもない様に感じられる。
  • 空にトーンジャンプが発生している。写真の粒子感が部分的に統一感を欠く。プロセスが安定していないのかもしれない。
  • ブレたりボケたりした写真があるけれども、やや綺麗すぎる感を受けた。大人しくて、記号・方法としてのブレボケに収まってしまった印象。
  • 否定的な感想ばかりに見えるかもしれないけど、印象は良かった。その良い印象の根元を言うのは難しい。
  • この方がノーマルトーンのカラーで勝負したらどんな作品が出来てくるのだろう?という期待を抱かせる展覧だった。