ザンダーの写真

実は、私はポートレイトというものの良さが良く分からない人間なのだが、A・ザンダーの撮った人物写真というものは好きである。私にとってのザンダーの写真の魅力というものは、そこに写っている人間たちの視線・態度の微妙な食い違い・ずれである。それは、われわれがたとえ同じこころざしを持って同じ場所にいても、それぞれが同じ時間に生きているわけではないということを、常に私に思い至らせる。